喜水雑記

日頃のゲームについてちょこちょこ書くメモみたいなもの

【映画レビュー】現実と虚構【ドラゴンクエスト ユア・ストーリー】※ネタバレあり

 初の映画レビュー記事。どうも喜水です。

 今回は、8/6に映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を見てきてなんか気が向いたので、感想を書いていこうと思います。映画レビューは書くのが初めての映画素人なので拙い文章になりますが、悪しからず。あとちょいととネタバレしますが許してちょんまげ。

f:id:Yoshimizu:20190806204855j:plain

 

 映画の感想を書く前に、俺が『ドラゴンクエスト』という作品自体をどれくらい知っているかという話を書いておこうかなと。

 はっきり言いましょう、DQⅪ以外ほぼ知りません。そのⅪも実況を見たことがあるだけでⅪSが発売されたら買ってプレイしてみようかな〜なんて考えている程度。この映画は『ドラゴンクエスト天空の花嫁』というタイトルをベースに作られているらしいのですが、Ⅴのサブタイトルを今日初めて知ったとかそんな勢いです。というかそもそもこの映画のベースになったタイトルがあること自体エンドロールで知りました。あ、でも「ビアンカ」っていう名前だけは聞いたことがありましたね。Ⅴのキャラとは知りませんでしたが。

 まあそんなレベルなもんですから、8/1に『天気の子』を見て来た時の上映前の予告映像でようやくこの映画の存在を知ったわけでございまして。そんな程度でなんで見に行ったのかと疑問に思うかもしれませんが、丁度暇だったからふらっと映画館に行って「あ、あのドラクエの映画公開されたんか。せっかく来たし見〜よう。暇だし。」とかそんなノリでチケットとキャラメルポップコーンLとジンジャーエールLを購入しました。事前リサーチとかそういうものも一切無し、正真正銘の完全初見でした

 

 

 さて、ここからは本編の話。

 見ている途中で思ったのは、「展開がバカクソ分かりやすいな」ということですね。まあこれはゲームが原作で、かつ本来何十時間もかけてじっくり攻略するタイプのゲームを無理矢理120分にまとめているのでしょうがないといえばしょうがないのですが、120分のうち前100分ぐらいは「まあでしょうね」という展開が多かった印象です。個人的にこういう類の作品でのわかりやすい王道展開というのはもちろん好きではあるのですが、にしても分かりやすすぎるなぁというかなんというか。まあここら辺は人によるでしょうね。自分はちょっと気になりました。

 あ、でも主人公が勇者じゃなかったのは「あれ、そうなの!?」とは思いましたし、終盤の大乱戦でヘンリーが援軍に来たシーンは「あ、お前いたなそういえば!」ってちょっと興奮しました。まあ、その後息子(アルス…だっけ?)が生まれたタイミングで「あ、勇者こっちか」とは察しがつきましたし、ヘンリーは俺が存在を忘れていただけと言われてしまえばそれまでですが。そういえば、スマブラSPの勇者参戦PVに対するニコニコでのコメントで「歴代主人公で勇者って言えるのこの4人*1だけだしなぁ」って言われていたので、「主人公が勇者ではない」ってのはドラクエでは割とよくあることなんでしょうか?ダレカオシエテ

 

 あと、戦闘シーンがいい迫力してんなぁとも思いました。そこは伊達に3DCG映画作ってねぇなって感じですね。個人的にはブオーンとの戦闘で天空の剣を探している最中のブオーンの猛攻とリュカVSゲマの一連が好きですね。追い詰められた状況でのバギクロスの迫力はおおってなりました。

 

 そして問題の最後。なんというか、映画っていう虚構の世界に現実の話を持って来て欲しくなかったなというのが正直な感想です。なんというかこう、ゲームを熱中してプレイしている最中に親が唐突に電源ブチ切って「風呂入れ」って言ってきたような…と言えば分かってもらえるでしょうか、あんな風な冷める感じを覚えました。ゲームとかアニメとか映画とかそういう物に入れられる『第四の壁』ネタというのはあくまでもたまーにギャグとしてぶっこまれるから面白いのであって*2、それをぽっと出のラスボスとして持って来ちゃあかんやろ…という。

 1番いけないと思ったのがウイルスの「大人になれ」という発言。ゲームやってるのが子供かどうかなんていう議論は15年ぐらい前に終わってんだよふざけんな貴様が大人になれウイルス製作者。調べたところによるとDQⅤの発売は1992年7月とのことですが、俺のゲーム史の記憶さえ正しければこのぐらいの時期が1番ゲームに対するヘイトが高かった時代だったはずなので、つまりDQⅤ直撃世代はその辺を散々言われながらそれでもゲームをやっていた世代というわけで。その世代からは外れている俺(大3)がムッとなったぐらいですから、この映画のメインターゲットと想定されていたであろう30代前半あたりの皆様は「あぁん!?(ブチ切れ)」だったことが容易に想像できます。そのあたりの皆様、脳の血管だけはご自愛ください。

 あとあえてストーリーにも突っ込ませてもらうのですが、あれだけハイスペックなアーケード(?)体感ゲームがなんでゲームプログラム破壊とかいう致命的なウイルス(しかも恐らく個人が作ったやつ)の侵入許しとんじゃ。しっかりしろセキュリティ。

 

 それにしても、「大人になってもゲームをすること/少年心を持ち続けること の肯定」というバカクソに古いメッセージを何故今更、しかも特定ゲームのリメイク映画で引っ張り出して来てしまったのか。そう考えた時に思ったのは、製作陣のゲームプレイヤーに対する感覚が1990年代で止まっているんじゃないか?ということ。ゲームをやっているのが「子供」と言われていたあの時代のまま。だから「子供でええんやで」というメッセージを送ったのかなぁ…とか。でも今は2019年、ゲームをやっていない方がむしろマイノリティとなり、製作陣が1990年代に見た『現実』はもはや『虚構』になった時代。だから、今のゲームプレイヤーからすれば「今?」となるような話が持ってこられたのではないだろうか…と。あくまでも俺が頭の中で考えただけの話なのであれですが。

 

 

 俺の感想はこんなところでしょうか。正直なところ、あんまり人に勧められる映画ではないなぁという印象ですね。ただ、ラスト15分が全てを台無しにしているというのと明らかに120分では足りていないというのがこの映画の主たる問題点だと素人目には思っているので、ラストをちゃんと原作準拠にした上で3部作ぐらいまで伸ばしてしっかり描かれた映画があればそれは面白くなりそうだから見てみたいな、なんて思いますね。

 とまあそんな感じで、今回の記事はこんな感じで。一応ブログのコメント欄は誰でも書けるようにはなっているので、一過言ある方は荒れない程度に書いてもらえると俺が見て勉強しに行きます。お付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

twitter.com

*1:Ⅲ主人公・Ⅳ主人公・Ⅷ主人公・Ⅺ主人公

*2:『第四の壁』の存在そのものを主軸に置いた作品もたまにありますが(「アルノサージュ」とか)、それは"それ"が面白いのであって今回の話には当てはまらないと思っています。